データ流通市場の歩き方

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徹底整理!ビジネスに本当に役立つ世論調査・社会調査の手法とは?国勢調査からWEBアンケート、身近な情報検索のコツまで(前編)

データ流通ことはじめバナー画像こんにちは。本連載では、データ流通市場に関連する用語や、業界動向を解説しています。前回までのテーマは「住まいと安全」でしたが、今回は「世論・流行・意識調査」がテーマ。調査についてのさまざまな疑問にお答えする形でお届けします。

世論調査なんて当てにならない?」

世の中には社会調査・世論調査があふれています。学術研究だけみても、日本では年に300本以上の「調査」が行われます。ビジネス分野の調査技術も日進月歩で変わっていて、調査業界自体のトレンドや意識を追うだけでもひと苦労。データの解釈をめぐって論争になることも……。どうにかならないでしょうか?

「社会」は「調査」であふれてる!

 編集部アイコン

今回は、社会調査に関するトレンドについての意識調査をしていこうと思います。

記者アイコン
えーっと、「社会調査に関するトレンド」とは、調査方法にも「流行り廃れ」があるということしょうか? そのトレンドについての意識を調査するということ? それは、記者自身の意識という意味でしょうか?

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そのすべてです! 一口に「社会調査・世論調査」といっても無数の手法があって、業界内での流行り廃りも、学術トレンドも、ビジネスマンの理解も様々です。そこでまずは、世の中にはどんな調査手法があるかを記者さんに実際に調べていただきながら、その作業のなかで気づいたところ、面倒だと感じたこと、不安に思うことなどをざっくばらんに語っていただきます。その会話を通じて、「そもそも社会調査とは何なのか」「よくある疑問は何か」「実務では何が面倒になりやすいのか」などの問題意識を浮き彫りにしようという企画です。

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なるほど……よくわかりました(困惑)。

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詳しくは、Q&Aを重ねながら、掘り下げていきたいと思います。さっそくですが、「社会調査」と聞いたとき、すぐ思いつくのはどんなイメージですか?

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調査と聞いて、ちょっと前に読んだ新聞記事を思い出しました。

 

子育てと家族の介護に同時に直面する「ダブルケア」をする人が、全国で少なくとも25万3千人いることがわかった。女性が16万8千人で、男性が8万5千人。女性により負担が偏っている実態が浮かび上がった。内閣府が28日、初の推計結果を公表した。

2012年の就業構造基本調査で「ふだん育児をしている」「ふだん介護をしている」の両方を回答した人を「ダブルケア」の担い手と定義し、推計した。この「育児」の対象は未就学児に限られており、内閣府は実際の人数はさらに多いとみている。(伊藤舞虹/編集部にて抜粋)

──伊藤舞虹「育児しながら介護「ダブルケア」25万人 内閣府推計」[朝日新聞デジタル2016年4月28日](1)

 

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就業構造基本調査」の推計を元に書かれた記事ですね。これは、どんな調査ですか?

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「5年ごとに行われる公の調査で、2012年調査で初めて育児ならびに介護に関する設問が追加された」程度のことしか、理解していません。

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「初めて追加された」ところが重要ですね。定期的に行う調査でも、世間の流行や質問者の問題意識によって、設問が大きく変わります。昭和23年(1948年)に行われた「国民生活(都市住民)に関する世論調査」には、「小麦粉は完全に白くすると量(配給量)が1割位減りますが,白くした方がいいでしょうか。今のままがいいでしょうか?」といった質問があって、終戦後の食卓事情が窺えます。

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設問だけを年代別に追いかけても、面白い発見がありそうですね。調査は時代の写し鏡というか、流行っていないものを調査したところで、需要がないですもんね……。

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依頼者の興味をとことん掘り下げる調査もありますよ。探偵の浮気調査みたいに。

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それなら何でも「調査」になりますね。社会について調べれば社会調査、世論について調べれば世論調査、人々の意識について調べれば意識調査、市場について調べれば市場調査、誰かの素行について調べれば素行調査……。世の中は調査にあふれているのかもしれません。

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ちなみに、「科学研究費助成事業データベース」で検索すると、2010年から2017年までに開始された研究で、件名に「調査」という単語を含むものは、60,722件ありました。「意識調査」だけに絞っても、1,481件。企業や政府、非営利団体の調査も含めると、社会ではもっと多くの調査が行われているのでしょう。

どんな「手法」があるのかわからない!

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調査の手法には、どんなものがあるでしょう?

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ざっと調べてみたところ、前述の「就業構造基本調査」は、訪問面接調査です。調査員が対象者の自宅へ足を運んでいます。「郵便調査」「FAX調査」なら調査票を紙で送りますし、電話で質問するなら「電話調査」で、パソコンやスマホを使うものは「ネット調査」と呼ばれます。「会場調査」は対象者に1か所に集まってもらいますが、街角で質問する「街頭調査」もよく見かけます。うーん、あと、何がありますかね……。

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調査に用いるメディア(媒体)ごとの整理ですね。他にはありませんか?

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いくらでも見つかりますよ!(怒)(調査法をまとめたリストを渡す)

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ちょっと整理しましょう。私たちが誰かに何かを聞きたいとき、どんな風にして教えてもらうかを考えてみてください。細かく分けるとキリがないですけど、とりあえず、4区分で考えてみたら、どうですか?

  1. こちらから相手に「訪ねる・問いかける」
  2. 相手を「呼び出す・教えてもらう」
  3. 実際に「試してもらう・見せてもらう」
  4. 許可をもらって、「追いかける・尾行する」

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こうですか?

図1

図1:マーケティング調査手法の分類(仕掛かり)

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いいですね。ひと口に「調査」といっても、何十種類も手法があります。新手法も、メディアの進化に伴って、どんどん増えています。でも、抽象化すれば、手法は4区分で、使えるメディアもざっと9通り。だとすると、せいぜい36パターンしかありません。

図2:マーケティング調査手法の分類(用いる媒体別)

図2:マーケティング調査手法の分類(用いる媒体別)


かなり整理されましたが、36パターンはそれなりに多いですね……。

どれを選べばいいの?

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では、上司やお客さんから、「自前で調査してよ」と言われたら、どの手法を選びますか?

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え、なんか急にハードルが上がりませんか!? うーん、まずは予算ですよね。使えるお金がいっぱいあるなら、やっぱり餅は餅屋、調査会社に丸投げしちゃいたいですね(笑)。そんな余裕がなくて、自前で実施せざるを得ないなら、郵送費や通信費がかからないほうがいいですかね……。となると、Webアンケート調査になるのでしょうか。調査会社の業界団体が行ったアンケート調査でも、「パソコンによるオンライン調査」が断トツで多いです(76.5%)。

図3:調査会社による各調査手法の使用状況

図3:調査会社による各調査手法の使用状況

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面白いですね。調査概要をみると、回答者は「調査企画・設計業務」(65.7%)「実査対応業務」(44.6%)「集計・分析業務」(47.9%)などの担当者。「仕事で調査をする人たち」でも、調査手法を手軽さや簡単さを目安に選んでいるように見受けられます。

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ネットの普及は、調査業界にとっても画期的だったのでしょうね。それにしても、調査手法って、こんなにあるのですか!? どれを選べばいいのか、迷ってしまいそうです。

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それこそ、「調査手法に関する調査」が必要なくらいですね。

何から始めればいいのかわからない!

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ところで記者さんは、「よくわかっていないこと」を調べるとき、何から始めますか?

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ベタですが、やっぱりネット検索でしょうか。思いついた用語を片っ端から入れて、関係ありそうなページを探してみます。ただ、がむしゃらに検索しても、余計な情報ばかりヒットして、なかなか肝心のものが見つけられないこともよくありますけど。

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そのうち面倒になって、「とりあえずニュースだけ見ておくか」とか「あとで詳しい人に聞けばいいや」なんて思っちゃうんですよね。

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その通りです。実は、冒頭でご紹介した新聞記事も、「お、ダブルケアについて調査したのか」と目を止めたものの、そのまま自分で追加取材せず、放置していたんですよね。

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では、もし「ダブルケア」について、さらに深くと調べてみるとしたら、何から始めますか?

 

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まずは、周りの人に「ダブルケアって言葉、知っている?」と聞いてみます。どの程度、認知されているか把握しておきたいので。

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その後は?

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「知っている」と答えた人に、「どこで知った?」と訊ねますかね? それが雑誌の記事だったら、読んでみるだろうし、TV番組だったらどんな内容だったか探ってみるだろうし……。

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小さなとっかかりから、少しずつ深掘りしていく感じですか?

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なんだか遠回りな気もするんですが……。短い時間で面白い資料を見つけてくる人っていますよね。ライターの仕事をしていると、必要な情報を端的に集められる術が求められるので、そういう人は本当に羨ましいです。編集部では、どのように資料を集めているんですか?

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編集部内で聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。得意な守備範囲がちがうみたいです。

図4:「調査方法に関する意識調査」(n=3)

図4:「調査方法に関する意識調査」(n=3)

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やっぱり、みなさん、それぞれ独自に磨き上げてきた検索テクニックがあるのですね。こちらは、早くも情報の海に溺れそうですが(涙)。

面倒だし、専門家に聞いたほうが速い?

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データベースが色々あるのはわかるんですが、記者はコツコツとした調べものが苦手で、すぐに詳しそうな人に直接、聞いてしまうんですよね。でも、テクニックさえ身につければ、すべての答えが資料やネットで見つかるんでしょうか?

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いえいえ、これだけ調べても、欲しい情報にはなかなか巡り合えません。そこでようやく、新たに調査をする必要が出ますね。私の場合は、先入見を増やしたくないので、リアルな対話は優先度を下げています。

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文献を調べられるだけ調べて、それでもわからないときに初めて人に会いにいくのですね。

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「何を調べるのか」「誰を訪ねるのか」は、本当に人それぞれです。専門家に聞くのは後回しにして、まずはSNSで下調べ的に口コミを読んでみる人も、身近な誰かに話を振って「みんなの知識量」をなんとなくつかんでおく人もいます。

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記者と同じタイプですね! 資料を探す時間が人より余計にかかるせいもあるのですが、やっぱり情報の鮮度にこだわりたいんです。ものすごいスピードであらゆる物事が更新される昨今、「必要な情報をようやく見つけたときには、既に他で新しい情報が発表されていた」なんてことが、いくらでも起きる気がします。

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競争ですからね。

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貴重な時間を使って、あるのかどうかわからない調査結果を探すより、自分で足を動かして「活き」のいい情報を入手したいと思ってしまうのは、あまりに短気過ぎるでしょうか?

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不安に感じるのもよくわかります。仕事をしていて、メールするより電話したほうが楽だとか、会って話さないと伝わらないと感じるときがありますよね。この視点でメリット・デメリットをまとめると、調査手法ごとの使い分けも考えやすいです。

図5:調査手法ごとのメリット・デメリット

図5:調査手法ごとのメリット・デメリット

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なるほど。でも、ただでさえ、資料を探すのが苦手なのに、その使い分けまで考えていたら、ますます時間がかかってしまいそうです(涙)。既存の調査手法や資料から、必要なものだけを効率的に見つけられるようになるまでは、まだまだ長―い道のりです……。

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何十年もかかる調査を、ライフワークにする研究者もいますからね。

調査に予算がかけられない!

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いろいろ調べていくうちに、「調査」ってまだまだ敷居が高いなぁと感じてしまいました。もうちょっと身近で、手軽にできる調べ方はないものでしょうか?

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無理に自力でやらずに、他のひとの「調査」を探して読むほうが気楽ですよ。できれば、お気に入りの「探し場所」を覚えてしまうと早道です。分野によって、メタ論文、レビュー論文、書評集、用語集、ガイドブック、白書・年鑑、要覧・総覧、全集・辞典、目録・カタログ、データベース、アーカイヴ、レファレンス等々と呼ばれますが、役割は同じです。

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この記事の調査中にも、編集部の方からたくさんの資料をいただきました。例えば、「比較しろ」って簡単に言いますけどね――質的調査VS量的調査 岸政彦×筒井淳也」(SYNODOS)という記事がありました。社会学者(生活史、フィールドワーク)と社会学者(計量社会学)の対談です。こういう資料を、どうやって入手されているのですか?

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その記事を見つけた編集部員は検索スキルがやばいんですよ。「Twitterを眺めてたら、たまたま流れてきた……」とか言うんです(苦笑)。本人(部員C)に聞いてみましょうか?

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ふだん、どうやって情報収集してるんですか?

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検索ですね。

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何で検索するんですか? 検索キーワードをすぐに思いつく?

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いや、自力ではほとんど考えません。知らないことを思いつけるはずないので……。適当に無料データベースを「はしご」して、検索キーワードの「候補」を仕入れていきます。無料の専用ツールも多いですし、その紹介記事も5年前くらいから無数に書かれてるので、珍しい話(収集方法?)ではないと思います。速い企業はもう、この手の検索作業すら機械化してるんじゃないですか。

 

─「Google検索」で「関連語 検索」で検索した結果から

 

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全部を毎回調べるのですか?

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とりあえず思いついたものだけですね。全部を調べるとキリがないので、テレビ番組をザッピングする感じで、目に入ったものをメモするくらいです。

GOOGLE検索すればなんでもわかる?

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そのあと、検索キーワードの候補を使って調べていく?

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他に、いくつか「小技」を持っておくといいです。これも検索すればいくらでも記事が出てくるので、大した知識でもないと思いますが……。

 

Google検索で「検索 小技」で検索した結果から

 

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「検索の小技も、検索すればすぐ見つかる」と知っていないと、そもそも試そうと思えないんじゃ……。

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SNSのタイムラインをRSSの代わりに使ってるんですよ。ニュースサイトとか、インディーズの雑誌とか、論文データベースを紹介するようなアカウントを大量にフォローして(註:RSSとは、Webサイトの更新情報を他人に自動で伝えるための配信フォーマットや、それを使ったサービスのこと)。

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それをいつも使っている?

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いつも使うのとは別ですね。情報収集用です。昔は、知りたいテーマごとに関係者を50人くらい集めたリストを作っていました。最近はあまり使っていないんですけどね。まぁ読み切れないので、暇なときに気が向いたやつを眺めるくらいでした。でもこのやり方はたぶん古くて、最近はみんなSlackのRSSとかIFTTTとかFeedlyとか使っているんじゃないですか。その設定も面倒ならNewspicsとかGunosyとかカメリオとか。そのうちMastodonで専用インスタンスを作るひとも出てきそうですが。

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資料を見つけるコツは? そのときのご縁?

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勘ですね。Twitterに限って言うと、フォロワーが何万人もいる人は、ほとんどポジショントークしかしないので、基本的に避けてます。まとめサイトとかキュレーションサイトのURLをひたすらシェアするような人も、当てにならないので、無視してますね。むしろ、フォロワー数200人くらいで細々とやっている人を探します。研究所の一般職員とか、業界団体の担当者とか、地方の図書館司書とか。

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でも、そんな人、すぐには見つからないですよね?

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もちろん最初は、メジャーな話題を探すところから入りますけど、記事本文をちゃんと読めば、「専門家によりますと」とか言って紹介されてる人とか会社とかあるじゃないですか。その名前で調べたら、論集とか評論を出している出版社とか著者とか研究者がすぐ見つかります。面倒だから私はSNSでしかやらないですけど、新聞とか雑誌のデータベースでも同じことはできて、他にも図書館の検索エンジンとか、論文データベースとかで調べると、まとまった情報がわりと効率よく見つかります。

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もし見つかっても、その著者や研究者の評判や立場は、すぐにはわからないでしょう?

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まぁそこは見極めなきゃいけないですけど……イメージとしては、こういう感じですね。本の売り上げとか、Web記事の人気とか、貧富の差とかも、大抵こういう分布をするんですよ。

図6:部員Cによる「べき分布」

図6:部員Cによる「べき分布



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べき分布」と呼ばれるグラフですね。

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で、世間で「トレンド」だと思われているのはここ(頭頂部)なんですけど、ここ(頭頂部)では新しいことが滅多に起きないです。逆に、こっち(底部)にもなるべく行かないようにしていますね。土地勘がないので、有益な情報の探し方・見つけ方がよくわからないんですよね。

図7:部員Cによる「べき分布」2

図7:部員Cによる「べき分布」2

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頭頂部は「ドラゴンヘッド」、底部は「ロングテール」と呼ばれることもあります。

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先にここ(中間部)を整理することをいつも考えてます。それで、この点についてもっと知りたいなってときはこっち(底部)に行く。しばらくいたら、またこっち(中間部)に戻る。でも、何年か経つと、こっち(中間部)にいた面子が、こっち(頭頂部)か、こっち(底部)にいっちゃう。ここ(中間部)に留まれる人って、なかなかいない。

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ベストセラーになる書籍と大きく売れない書籍に二極化していて、人気が出過ぎず、コンスタントに売れる人って少ないですよね。実際にネット書店の売上データを分析した論文も見つかりました(参考)。テレビ番組も、似たような状況かもしれません。

 

後編につづきます。

 

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(著作:福田千津子+編集部 編集・構成:編集部)