エスカレーターを安全に、公平に使うには?
花火大会の会場から最寄り駅まで、安全に移動できる経路は?
こうした問いを、実社会で検証することはなかなか難しいものです。でも、コンピューターで計算できたらどうでしょうか?
いま、「マルチエージェント・シミュレーション(MAS)」と呼ばれる手法が注目されています。MASとは、人や生物、組織といった複数の主体(マルチエージェント)の相互作用をシミュレーション(仮想実験)することで、現象の背後にある構造を理解したり、その仕組みを解析するための手法です。
このMASを、大規模な社会課題の解決や、新たなビジネスに応用しようとする動きが出てきています。例えば、先のエスカレーターや花火大会といったように、人々の動きをシミュレーションする「人流」の研究は、安全な空間の検討に役立っています。他にも金融、IoT、不動産など様々な分野での事例がありますが、こうした応用には多くの課題や制約があることも事実です。
データ活用において、MASがもたらす可能性やその課題はいかなるものでしょうか。今回は、松島裕康氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター 准教授)と北上靖大氏(株式会社構造計画研究所)をお招きし、マルチエージェント・シミュレーション研究の最前線と、その社会実装について語り合うミニシンポジウムを開催します。
アカデミアとビジネス、それぞれ第一線で活躍されるおふたりとの対話から、シミュレーションデータを活かしたビジネスの未来について考えていきます。企業でデータ戦略・活用に取り組む方、新規事業の推進にかかわる方など、多くの方のご参加をお待ちしております。
以下のフォームよりお申し込みください。
開催概要
日時:2021年11月18日(木)17:30-19:00
視聴方法 :Zoomウェビナーでのオンライン配信(※お申込完了後、会場URLをZoomの自動配信メールで送ります。)
参加費 :無料
プログラム概要
【セッション1】
話題提供:松島裕康氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター 准教授)
- MAS研究の現在とこれから
- 研究の事例紹介・社会応用
【セッション2】
話題提供:北上靖大氏(株式会社構造計画研究所)
- MASを応用したコンサルティングの事例
- シミュレーションの社会応用における現場の課題
【セッション3】
座談:MASを活用したい企業担当者に知らせたい2、3のこと
- よくある誤解、実用に向けた工夫
- 必要な下知識、用意するデータのイメージ
(進行:株式会社日本データ取引所 上島)
登壇者プロフィール
松島裕康氏(滋賀大学データサイエンス教育研究センター 准教授)
2013年3月に電気通信大学大学院情報理工学研究科にて博士後期課程を修了。博士(工学)。同年4月から産業技術総合研究所にて特別研究員、2018年4月から東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻にて特任助教を歴任し、2020年4月より現職。マルチエージェントシミュレーション、機械学習、進化計算の研究に従事。
北上靖大氏(株式会社構造計画研究所)
株式会社構造計画研究所にて、企業・自治体を対象としたエンジニアリング・コンサルティング業務に従事。社会シミュレーションを専門としたコンサルタントとして、自治体、企業を対象とした大規模避難安全の検証、次世代モビリティ交通解析等、多くのコンサルティング業務を手掛ける。クラウド版社会シミュレータartisoc Cloudの開発の他、社会シミュレーションの社会実装・普及に向けて活動中。東京大学非常勤講師。
上島邦彦(株式会社日本データ取引所)
創業メンバーとして事業企画に従事。データマーケットプレイス企画推進、データ戦略・実践コンサルティングに携わる。「データ流通市場の歩き方」編集部員。研究データ利活用協議会「データ共有・公開制度検討部会」委員。データ社会推進協議会技術基準検討委員会「データ品質TG」副主査。
以下のフォームよりお申し込みください。
ご参加をお待ちしております!
株式会社日本データ取引所 JDEX運営チーム